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メッセージ

「熟議」に基づく教育政策形成の在り方に関する懇談会

座長 金子 郁容(慶應義塾大学SFC研究所所長・大学院教授)

「熟議ってなんのことだ」と思っている人が多いと思います。難しいものではないんです。身近かなこと、おかしいなと思っていること、これはすごいと思っていることについて、いいたいことを言って、人の言うことにも少しは耳を傾け、わいわいがやがやと、ああでもないこうでもないとやりとりをすることです。いろいろ言い合っているうちに、人の気持ちがいくらか理解できたり、自分が言いたかったことがはっきりしたりするものです。そのとき、言いっぱなしにしないで、なにかしらの方向性をみなで確認できれば、立派な「熟議」です。現場の先生や保護者や地域の人に開かれたネットサイトで「熟議」することで教育政策を作る材料にしようなんて、うまくゆくのか。うまくゆくかどうかは、みなさん次第。どんどん意見を言っていただけるかどうかにかかっているのです。

金子 郁容

貝ノ瀬 滋(東京都三鷹市教育委員会教育長)

あなたは今まで、国の教育政策が自分と関係のないところで決められている、と思っていませんか?
「熟議」は、「子どもたちがよりよく人間的に成長してほしい、みんなで温もりのある社会を創りたい」そういうあなたの思いを実現するためのツールであり、プロセスなのです。
本当に、みんなが困っている子どもの課題や教育問題について、フェイス・トゥ・フェイスでの話し合いも大事にしながら、インターネットを活用して、広く、深く議論していくことができるのです。
このプロセスに、あなたも教育の当事者として参加するのです。ごく一部の専門家の人にのみ子どもの未来を丸投げすることなく、一人一人がご自分の生活実感や本音をぶつけ合って、皆で合意形成をはかっていくのです。
これこそが、真の民主主義であり、よりよい市民社会をご自分の手で創っていくことになるのです。

貝ノ瀬 滋

柏谷 弘陽(青森県横浜町教育委員会教育長)

青森県横浜町教育長の柏谷弘陽です。
横浜町は、人口5,118人で児童生徒数は、小学生265名、中学生137名となっています。
当面の大きな課題は少子化で、6年後には小学校の児童数が178名となり、その中での教育環境をどう構築していくかということです。
昨年度から、全町民でこの問題を考えようということで、「地域教育懇談会」をスタートさせています。地域づくりは人づくり、人づくりは心づくりを合い言葉に情報公開とベース揃えを大切にし、熟慮と討議を重ねていきたいと思っています。
故郷をよく知り、愛し、誇りを持つ子どもの育成のため、皆さんの御意見をお聞かせ下さい。

柏谷 弘陽

鎌田 真樹子(株式会社魔法のiらんど安心安全インターネット向上推進室室長)

このたびの「熟議」に基づく教育政策形成の試みに大変期待しています。大人たちがインターネット上で意義ある議論を重ね、新しい、有益なコミュニケーションの場を創っていくことができれば、子どもたちの未来の可能性は広がります。インターネットでの節度ある振る舞い、自由なコミュニケーションでありながら、議論を深めていくこと、パブリックな発言のあり方等、参加者の皆様と共に考え、表現し、学びあうことで、新しい何かが生まれていくことでしょう。どうぞご一緒に参加していただき、子どもたちのより良い環境を共に創っていくプロセスをご経験ください。心より皆様のご参加をお待ちしています。

鎌田 真樹子

楠 正憲(マイクロソフト株式会社法務・政策企画統括本部技術標準部部長)

熟議カケアイの開始に際してご挨拶申し上げます。この革新的な取り組みをなんとしても成功させていきたいと考えています。コミュニティソリューションによる、未来の創造にご参画ください。

楠 正憲

粉川 一郎(武蔵大学社会学部准教授、藤沢市市民電子会議室実験世話人)

今回の熟議における目玉の一つはインターネットを活用した形での新しい議論の場の形成です。これまで多くの場合、インターネットは、その特性から「熟議」のような議論を行う場として相応しくない、というような評価を受けてきました。 しかし、これは本当でしょうか。
90年代半ばからの日本におけるインターネットコミュニケーションは、匿名性電子掲示板上でのカジュアルな情報のやりとりや、携帯電話のメールに代表される短文を中心とした頻度の高い情報のやり取りがその中心にあったことは確かです。しかし、電子コミュニケーションそのものは、決してじっくりと読み、じっくりと考え、じっくりと書く、その上で他者を尊重し信頼しあう、そうした形の繋がりを排除する場ではないのです。
今回の熟議の試みが、日本のインターネットに新たな可能性を示す、そうした意味でも期待したいと思います。

粉川 一郎

小林 浩(株式会社リクルートカレッジマネジメント編集長)

近年、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。そうした中、人口が減少していく日本にとって、子どもや若者の一人ひとりがますます貴重な存在となっていくでしょう。古来より「一年の計画を立てるなら穀物を植えよ、10年の計画を立てるなら木を植えよ、100年の計画を立てるなら人を育てよ」と言われます。教育とは100年の計を考え、未来を創っていく仕事です。だからこそ、みんなそれぞれが色々な考え方を持っていて、何が正しいかの判断が難しいのだと思います。是非、家庭で話していること、学校で話していること、職場で話していることについて、この『熟議』の場でざっくばらんに議論しましょう。そして私たちの新しい未来を一緒に考え創っていく、そんなわくわくする場にしていきましょう。

小林 浩

小松 郁夫(玉川大学教職大学院教授)

義務教育の制度や内容はこれでいいの?大学の水準は国際的に見て問題が多いのではないか、教員は忙しすぎないか?保護者はもう少し子どもの学校について、意見が言えてもいいのでは?学校は納税者に十分な説明責任を果たしているのかな?情報技術が飛躍的に進歩しているのに、黒板とチョークを使っての教え方のままでいいの?などなど、教育学を勉強してきた者として、疑問や課題はなかなか解決の方向性が見えません。
社会問題の中で、誰もが経験をし、一家言持っている話題である教育問題は、いわゆる専門家だけで論議するテーマではありません。
他方で、単なる個人的経験談や発想だけで政策が議論され、決定されることは非合理的であり、科学的でもありません。これまでの長い間の議論や経験、データを活かしながら、最善解や最良解を見つけていきたいと思います。熟議の場がその一つになれば幸いです。

小松 郁夫

城山 英明(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

熟議に基づく教育政策形成は、政策形成のあり方自体についての実験でもあります。従来型の固定的な関係者だけではなく、幅広い関係者の参画を可能にし、関係者が単に自己の立場を主張するだけではなく多様な観点を相互に理解するとともに、新たな可能性を提示することを促します。政策は最終的に政府の判断と責任で決定するものですが、その前提として、多様な観点のアセスメントを行うとともに、可能性・選択肢の幅を広げることは、実効的な政策形成のためにも不可欠です。試行錯誤は不可避ですが、教育という多くの方々に身近なテーマに関する新たな政策形成プロセスの試みが新たな可能性を生み出し、他の分野にも刺激を与えることを期待します。

城山 英明

竹原 和泉(横浜市立東山田中学校コミュニティハウス館長)

教育の専門家や学校現場の人だけでなく、保護者・地域住民・企業など、さまざまな立場の人たちが参加する「熟議」。地域やインターネット上で対話を重ねるプロセスでそれぞれの役割が明らかになり、担い手のひとりとして実際に行動するきっかけがつかめるかもしれません。そのためには私たちも学び、自らの問題として子どもたちのために何ができるか、学校にどうかかわることができるか等考えていきましょう。教育というテーマで新しい出会いがあり、まちづくりにもつながる予感がしています。

竹原 和泉

田中 良和(グリー株式会社代表取締役社長)

インターネット・コミュニティの新たな可能性を信じて、今回の取組みに参画させていただきます。
インターネットは、様々な立場の人が、自由で平等でオープンに意見を交わすことができるプラットフォームです。
国民誰にとっても重要なテーマである「教育」に関する政策について、インターネットを通じて議論できることは、大変意義深いことだと感じております。
本サイトが、よりよい教育政策の立案を実現するきっかけとなることを願うとともに、今回の取組みがモデルケースとなり、様々な分野の政策形成にインターネットが活用されていくことを期待しております。

田中 良和

日渡 円(宮崎県五ヶ瀬町教育委員会教育長)

日本で公教育が始まって140年余り、公教育の在り方は今のままでいいのでしょうか?道路も橋もトンネルも住宅も・・社会環境は大きく変わりました。
しかし学校は基本的に昔のままです。昔のままの学校に新たなものを付け加えすぎて、学校は教育は機能を失いつつあります。学校や教育の在り方を根本から議論する必要があります。
日本に公教育の基礎を作った明治の初めから140年。大きく制度を変えた終戦から60数年。先人がそれに費やしたエネルギーを思うと、現在の私たちは教育に対する夢やエネルギーを失っていませんか? 社会も、人間も大きく変化した今こそより多くの人の英知の基に教育を論じて21世紀の学制を作る必要があると思います。

日渡 円

村上 美智子(学校法人成美学園理事 初等中等教育担当理事)

地域の方や保護者の方、教職員でつくる「コミュニティ・スクール」9年目の学校です。
6年生が卒業に向けてしたいこととして、「お帰り当番」(交通安全の当番)をしてもらった地域の方にお礼を言いたいということで一人ひとりが手紙を書きました。それを読まれた方が感動され、地域の会合でその話をされました。すると数名の方が自ら、「お帰り当番」の名乗りを上げられたとのことでした。「○○コミュニティ」の会で地域の方がこのような話をされました。子どもが学校と地域の人々との鎹となり、よい関係をつくっていくものだと感じました。コミュニティ・スクールはよりよい学校づくりの一つだと思っています。
これからのグローバル化社会において、よりよい学校、よりよい教育について多くの方と熟議し、方向性が出せることを願っています。

村上 美智子

与良 正男(毎日新聞論説副委員長、テレビコメンテーター)

毎日新聞の読者の集いなどで全国をよく回ります。この2、3年、感じるのは、みなさんの政治に対する考え方が本当に変わってきたなあということです。一言で言えば、政治は政治家にお任せしていれば済むわけではないという気持ち。それがとても強くなったと思うのです。おじさん、おばさんだけではありません。若い人たちも話してみれば、政治に決して無関心ではないことがよく分かります。
問題なのは今、議論し合う場があまりにも少ないことではないでしょうか。みんな、議論することに飢えている感じさえします。
私たちメディアも含めて、とかく単純に白か黒かを決めつけがちです。でも世の中はもっと複雑、灰色だらけです。私も、さまざまなテーマについて、みなさんと、とことん語り合いたいと思っています。

与良 正男